【記事】ホログラフィックストレージのInPhase、税滞納で差し押さえ・廃業へ















Blu-rayをはるかにしのぐ大容量を喧伝しつつなかなか実物を見かけなかったホログラフィックストレージの企業 InPhaseが、ついに製品を発売することなく消えてしまうようです。コロラドの地元紙 Longmont Times-Call ほかの報道によると、InPhase Technologies のオフィスは税未納で州当局に差し押さえを受け閉鎖されており、家具などを含む資産は競売にかけられるとのこと。

2000年にベル研究所からスピンオフしたInPhase Technologiesは、ディスク 1枚で数百GBからテラバイト単位の大容量を実現するホログラフィックストレージ技術の企業。数年前から試作品のデモと発売予告を繰り返しつつ、2008年には一枚 300GBのカートリッジ入りディスクを使うアーカイブ向け製品 Tapestry 300r を年内出荷と発表しましたがやっぱり延期、結局市販されることのない幻のデバイスとなってしまいました。

Longmont Times-Call 紙によれば、度重なるレイオフを経て残っていた60名ほどの従業員が最後の支払いを受けとったのは先週のこと。出資者のひとりは取材に答え、InPhaseは「再編」中でありまだ廃業したわけではないと語っているようです。一方で匿名の元エンジニアによれば、InPhaseの従業員は過去一年にわたってほぼ最低賃金に近い給与で働いており、出資者から「次の出資さえあれば」元の金額に戻すと約束されていたなど生々しい話も報じられています。ディスク一枚あたりでは大容量であってもドライブもメディアも高く価格容量比的につらかったTapestryの売りが「公称 50年以上」の長寿命であったのも皮肉な話です。InPhaseといえばホログラフの読みとり技術特許を任天堂と共同で取得していた話もありましたが、関連 IPの行く末はまだ明らかになっていません。
http://japanese.engadget.com/2010/02/08/inphase/



------
次の出資者が本気を出すか、それとも技術が競売にかけられて
再生を果たすか…
いずれにしても、技術を欲しがる企業は多いでしょうね。