【記事】心肺蘇生:胸押し続けて 人工呼吸しなくても効果…京大

心肺蘇生には人工呼吸より、とにかく胸を押し続けて--。従来の救命措置の“常識”を覆す簡単な手法の普及に京都大の石見拓(いわみたく)助教(救急医学)らが取り組んでいる。「救命措置法の普及の壁を破る手法」として海外での評価も高く、今年秋には国際指針となる見込みという。

事故などで心肺停止に陥った時、蘇生が1分遅れると救命率が約10%下がるとされる。日本救急医療財団は一般の人向けに、人工呼吸と、胸部を一定のリズムで圧迫する心臓マッサージとを組み合わせた心肺蘇生法のガイドラインを策定しているが、口と口をつける人工呼吸への抵抗が根強く、普及は頭打ちになっていた。

石見助教らは、病院外で心停止した大阪府の18歳以上の男女約4900人の1年後の状態を、心臓マッサージによる胸部圧迫だけと、人工呼吸を併用した場合とに分けて調べた。その結果、胸部圧迫だけでも4.3%が脳機能を回復しており、人工呼吸を併用した場合の4.1%と差がなかった。胸部を押すことで脳にも血液が送られたとみられる。

この成果を受け、石見助教はNPO法人「大阪ライフサポート協会」(大阪市)とともに胸部圧迫の訓練キットを開発、09年から講習会を各地で実施。6月20日には大阪市東淀川区でも開く。

心肺蘇生法の国際指針に影響力を持つ米心臓協会もこの結果に注目。既に米国内では心肺停止した大人には、胸部圧迫のみの蘇生法を指導しており、秋に公表予定の新国際指針でもこの蘇生法が採用される見通しだ。

日本救急医療財団の島崎修次理事長(救急医療)は「人工呼吸は心肺蘇生法普及の壁となっていた。いずれ日本のガイドラインも変更されるだろう」と話す。講習会の問い合わせは大阪ライフサポート協会(06・6370・5883)。

(情報元:毎日jp)
http://mainichi.jp/select/today/news/20100530k0000e040007000c.html




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消防庁などで開催している救命講習を受けている方
赤十字社で救急救命員適任証を交付されてる方
は、今後のガイドライン改訂情報にご注意ください。

日本での導入は記事にもある通り新国際指針後の日本版ガイドライン変更後の講習が始まる予定と思われますが、関連実務に携わる方は予備情報として記憶されているとよろしいかと思います。

もちろん、実務であっても心肺蘇生を行うような場面に出会わないのが一番なのですが。
(私も赤十字救急救命員適任証を交付されてから20年弱、消防庁の救急講習を受けて5年、幸いなことに一度も実践することなく過ごせてきていますが、何故か数カ月に一度は事故現場に居合わせて救急車を召喚したり、一次救護活動をしたことが多い気がします。
そして、なぜか東京駅で2度もエスカレーターからの転落事故現場に居合わせて救護活動をしているのですが、3度目もあるのでしょうか(汗