【記事】Appleが米Gizmodoのプレスパス発行を拒否、「iPhone 4」発表前に試作品をゲットしたのが原因か

酒場で拾ったという「iPhone 4G(仮)」こと第4世代の「iPhone 4」を5000ドルで購入してゲットし、記事化した米Gizmodoですが、Appleの逆鱗に触れてしまい、「iOS 4」が発表されたWWDCの基調講演に出席するプレスパスを申請したものの、却下されてしまったそうです。

過去にもあらゆるテレビの電源を切るリモコン「TV-B-Gone」を実際に使用し、CESへの出入り禁止を食らっている前科があるのですが、一向に気にしていないようです。

詳細は以下から。


At This Monday's Apple Keynote? Help Us Liveblog

Apple denies Gizmodo press pass for WWDC Keynote - iPod/iPhone - Macworld UK

米GizmodoはWWDCの基調講演プレスパス発行を拒否されたことに関して「驚くことではない」としており、「Appleは我々がWWDC基調講演に出席したいというリクエストについて何の反応もしなかった」としています。普段通りであればWWDCの会場から実況中継してライブ更新するのが常なのですが、今回は入場できなくなってしまったため、急遽、WWDCの基調講演に行く人の中から米Gizmodoのために「ライブビデオやオーディオを送信し、インスタントメッセージと高解像度の画像を基調講演の会場から提供してくれる人」を募集したようです。ほかにも取材用のバッテリーパック、通信用のCDMA 3Gデータ通信、望遠レンズ、すばやく画像をアップロードできるノートパソコンも用意したようですが、うまくいかなかったようです。

これが実際のWWDCの会場。

by brendanlim

こういう風にして代わりに写真を撮影してくれる人を募集していた、と。

by brendanlim

なお、米Gizmodo編集者であるジェーソン・チェン(Jason Chen)氏の自宅がカリフォルニア州警察の家宅捜索を受けています。

Police Seize Jason Chen's Computers

また、裁判所に提出された資料でこの事件の詳細がいろいろとわかってきています。

「iPhone」試作機の紛失騒動、米裁判所が資料公開 国際ニュース : AFPBB News

それによると、Appleと警察との会議録が明らかになっており、以下のような内容だったそうです。

 公開された資料で、アップルの重役と警察との間で4月20日に行われた会議の模様も明らかになった。この会議には、アップルの社外弁護士ジョージ・ライリー(George Riley)氏も出席した。

捜査を率いるマシュー・ブロード(Matthew Broad)刑事の文書によると、アップル側から「既存のアップル製品を購入したかもしれない人たちが、新製品の発売を待つようになり、アップルの売上に打撃を与え収益に悪影響を及ぼした」と聞かされたという。また、ライリー弁護士は「損失の推計を出すことはできないが『ばく大な』金額になるはずだ」と主張したという。

実際に何か損害賠償の裁判が起こされるのかどうかまでははっきりとわかりませんが、過去にAppleの製品についてさまざまなリーク情報を掲載していたサイトがアップルから裁判で訴えられています。

アップル、Macファンサイトに召喚状--未発表製品情報流出の犯人捜しで - CNET Japan
 Appleが情報漏洩者の特定を目指して提訴に踏み切ったのは今回が初めてではない。同社は2000年8月にも「worker bee」という偽名を使った内報者を特定する目的で訴訟を起こしている。

この裁判では情報を提供した人物を明らかにせよということでAppleが訴えた形となっており、カリフォルニア州高等裁判所は情報開示を命じましたが、EFF(電子フロンティア財団)が、「ジャーナリストには情報源を保護する権利が与えられている」として控訴、2006年5月には裁判所が「情報源秘匿に関してオンラインジャーナリストはオフラインの記者と同じ権利を持つ」との判断を下しました。その後も、その他のAppleから訴えられた各サイトとの和解交渉は水面下で続けられ、最終的にはその中のひとつであるAppleファンサイト「Think Secret」が最後まで情報源をApple側に公開しない代わりにサイトを閉鎖することになったようです。

今回の米Gizmodoの件では落とし主が誰か、拾ったのは誰か、買ったのは誰かというのがすべてわかっているため、もしかすると今後、Appleから何らかの裁判が起こされるかもしれません。が、できればAppleには今回のようなWWDC基調講演プレスパス発行拒否というような幼稚で稚拙な手段ではなく、もっと前向きな建設的活動を行って欲しいものです


(情報元:GIGAZINE)
http://gigazine.net/index.php?/news/comments/20100608_apple_denies_gizmodo/








------
米GIZMODOは、正直言って「やり過ぎにも程がある」前科が多すぎます。
プレスは中立を守るべきであり、また企業に対しても敬意を払うべきだと考えています。
CES会場でテレビリモコンを悪用したり、試作機のiPhone4を不正に入手して公開することは正直良い事だとは思えませんし、記事にする前に好意的にアップルに返納すべきだったと思っています。


世界的なリーク記事だったかもしれませんが、同時に米GIZMODOは世界中のメーカーから疎ましいプレスに品位を落としてしまったように思うのは大変残念なことだと思います。


もっとも、製品発売前から完全なネタバレで楽しみを奪われた感があって、推理小説を発売前に犯人をバラされたぐらいプレスとしては残念な結果になった感が否めません。