【ソフトバンク】 通信衛星を利用したLTE高速無線中継回線の実用化に向けた検証試験に成功

ソフトバンク株式会社(以下「ソフトバンク」)とGilat Satellite Networks Ltd.(以下「Gilat」)は、基地局とコアネットワークを中継する回線に衛星回線を利用して、LTEサービスを提供する検証試験を実施し、実用化に向けた技術の開発に成功しましたのでお知らせします。これにより、基地局までの固定回線の設置が困難な地域などでも、低コストで高速無線通信サービスの提供が可能となります。2016年中に商用環境でのサービス提供を目指します。
ソフトバンクは、伝送路に衛星通信を利用し、固定通信や移動通信の設備の建設が困難な地域において、コスト効率の良い移動通信サービスの提供を実現してきました。今回ソフトバンクは、Gilatの高速衛星通信システム「SkyEdge Ⅱ-c」の開発に企画段階から協力し、共同で技術開発と検証作業を行ってきました。その結果、実際の端末での利用における回線速度として、従来の衛星通信では実現が難しかった下り100Mbps以上の高速通信を実現することができました。
今回の検証試験の成功にあたり、ソフトバンク 専務取締役 兼 技術統括の今井 康之は、次のように述べています。
「今回の技術により、固定回線が敷設困難な山間部や離島などの地域においても、安価かつ短期間で、高速なLTEサービスを提供することが可能になりました。当社では、同地域で衛星回線を利用する基地局を設置していますが、そこでもLTEが利用できるようになります。また、国内での利用だけではなく、米国子会社であるSprintのモバイルネットワークでも応用されることを期待しています。この技術が世界のデジタルデバイド解消に役立つことを願っています」

情報元:ソフトバンクプレスリリース
http://www.softbank.jp/corp/group/sbm/news/press/2016/20160216_03/

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ソフトバンクはスラーヤ衛星を使って基地局向けの非常用回線確保などの運用を
行ってきましたが、2016年からはGilatの高速衛星通信システム「SkyEdge Ⅱ-c」を採用
することによって、固定回線の敷設が難しい山間部や離島地域でも
LTE回線基地局を設営することができるようになります。

特に山間部では登山が出来る登頂部や山小屋などで電波が入らない区間が
多数あるため、今後はこういった場所でもLTE回線の提供が見込まれる他、
離島においては物理ケーブル無しでLTE基地局を運用することも可能になるため
圏外エリアを潰していくことも可能になりそうです。

またアメリカで展開中のスプリントにおいても、現在は基地局ネットワークの増強が
急がれている段階ですので、固定回線の敷設を後回しにして衛星回線で
LTE基地局を立ち上げてネットワーク増強という方法も実現可能になるので
スプリントは今後、かなり早い期間でネットワーク増強が見込まれるものと思われます。
※但し、固定回線が敷設出来るところには衛星回線x固定回線の2系統にしておかないと
基地局収容端末が輻輳を起こしやすく、帯域制限がかかりやすくなるため、
光回線などの大容量回線で輻輳を防がないとならないため、衛星回線だけの運用は
収容端末が少ない地域を除いて短期的運用となるはずです。

ちなみにソフトバンクでは、衛星通信を行う「ソフトバンク サテライトプランニング」を
立ち上げており2020年の商用サービス提供を見越して自社で通信衛星の打ち上げを
計画している。また航空機メーカーのボーイングもこの会社に出資しており
今後もソフトバンクによる衛星通信事業が成長が見込まれている。