【記事】iPhoneアプリの広告規約変更、AdMobは締め出し

アップルがとつぜん規約を変更し、開発者に新しい制限が課された問題......といっても思いあたるふしが複数あるかもしれませんが、とりあえずそのうちのひとつが緩和されました。変更されたのは、iPhone OSあらためiOS SDKの開発者規約3.3.9節。開発者がユーザの許可を得ずにアプリから収集したデータを利用する場合、利用用途をアプリ機能と直接関係あるものに制限するという内容で、機能と直接関係するとはいえない広告配信目的にはアプリから収集したデータを活用できなくなると話題になっていたものです。タイミング的にも、この制限の追加が4月の iPhone OS 4  iAd 発表直後だったため、iPhoneのアプリ内広告を実質的にiAdに限定する気ではとか、ライバルであるGoogle傘下となったモバイル広告企業AdMobを締め出すつもりだとか言われていましたが、ジョブズは一転して先日のD8インタビューで広告目的のデータ収集を認めると発言(質疑応答の部分)、このたび利用規約もそのとおりに緩和されました。めでたしめでたし。

と、素直に終わらないのがアップルです。規約を読むと、広告目的でアプリ情報を収集・利用・公表できるのは「モバイル広告を主要ビジネスとする、独立系の広告サービスプロパイダ」であると書かれており、誰でもokというわけではないと読みとれます。そうすると独立系の広告サービスプロパイダってなんだという話になりますが、文面はそのあと、


たとえば、モバイル端末やモバイルOS、開発環境の開発または提供企業が、所有ないしは提携する広告サービスプロパイダは、アップルをのぞき、独立系とは見なされません。

と続きます。この規準に沿えば、モバイルOS(Android)を開発するGoogle所有の広告サービスプロパイダ AdMob はまさに非独立系。ここまで狙いうちをするくらいなら「※ただしGoogleはのぞく」とか「すべての行為はジョブズが許す限りにおいて許される」とか書いてくれたほうがマシのような気もしますが、この仁義のなさはモバイル広告市場がこれからの主戦場になるという期待の裏返しでしょうか。どんどん直接的になってきたアップル対Googleの先行きが気になります。

(情報元:Engadget Japanese)
http://japanese.engadget.com/2010/06/09/iphone-admob/



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ますます対立の構図を深めて来たのですが、アップルはちょっと囲い込みの度が過ぎてやしませんかね…?
アドビの締め出し、GoogleとHTCへの対立、AdMobの締め出し。
保守に走ったとしか見えないのですが、一方でひたすらオープンに進化し続けるAndroidOSが多数の企業に採用され多数の端末に搭載され、急激に普及していくのはもはや明らかですし、ソニーグループはウォークマンを初めとしてソニーエリクソンのXPERIAなどでもAndroidOSを搭載し初めて居ます。

確かにソフトウェアアプリの資産は20万コンテンツあるかもしれませんし、iTMSでの登録楽曲数も結構な数が揃っています。
でも、ソニーがAndroid向けにPSNを対応させたりすると状況は一変しますし、AmazonのKindleはAndroidで動くKindleビュアーを開発しています。Googleも全米の殆どの出版社との電子出版契約を締結したそうですし、ハードウェアもQualcomm社がデュアルコア仕様の1.5GHz稼働のSnapdragonというCPUチップセットを年内にリリースすると発表しています。

トドメはAndroidOS2.2 Froyoでしょう。動作処理の最適化により2倍~5倍の処理が高速化されるそうです。
こうなると、アップルは自社資産を有するも、世界中のハードメーカーやコンテンツメーカーを敵に回して戦い続ける消耗戦になることが目にみえてきます。

もちろんアップルの製品は魅力的ですし、動作も快適で大変に素晴らしいのですが、足枷が多すぎます。

アップルvsAndroidという構図ですが、果たして共存の道はあるのでしょうか?