【記事】中国製「華為スマホ」輸入で大喧嘩
中国の大手通信機器メーカー、華為(ファーウェイ)技術製のスマートフォンの輸入販売をめぐって、日本の通信業者2社がガチンコ勝負、総務省を巻き込む騒動となっている。 一社は携帯電話事業者のイー・モバイル、もう一社はMVNO(仮想移動体通信事業者)の日本通信で、それぞれブランド名を「ポケットWiFi S」(イー・モバイル)、「イデオス」(日本通信)としているが、もとは同機種なのだ。 ファーウェイの日本代理店であるファーウェイ・ジャパン経由で端末を調達したイー・モバイルが、香港のファーウェイ本社から代理店(英eXpansys社)経由で仕入れた日本通信の「イデオス」の販売を中止するよう求めたのが発端。これだけなら、よくある総代理店と並行輸入のトラブルなのだが、電波法の端末認証に絡んで総務省が乗り出す話になってしまった。 あなたの携帯に「技適マーク」が付いているのをご存じか。日本国内で無線機器を利用するには、技術基準適合証明(技適)を受けなければならないのだ。携帯端末が電波法令の技術基準に適合していることを証明する制度で、メーカーなどの申請を受けた登録証明機関(民間企業)が国に代わって端末の試験を実施し証明番号を付与する。証明されたすべての端末には、「技適マーク」と証明番号が印刷、あるいはシール添付されている。今回のトラブルは、日本通信が調達したイデオスの技適証明が違法か否かで争われている。 昨年の12月21日、日本通信はイー・モバイル側にイデオスを販売すると伝えた。約1週間前にポケットWiFiSが先行発売されていたので仁義を切ったつもりだった。イー・モバイルの反応は早かった。その夜、日本通信の三田聖二社長ら3人の幹部を呼び出し、日本通信が調達した6千台のイデオスの販売を中止せよと迫ったのだ。 「並行輸入」にからめ手 イー・アクセス(イー・モバイルの運営母体)側はエリック・ガン社長ら幹部3人が出席し、日本通信側が拒否すると、大手量販店の名前を出してイデオスの販売に圧力をかけるかのような発言をしたという。 イー・モバイル側からすると、ファーウェイ・ジャパンという代理店を通して端末を調達しているわけだから「並行もの」、しかも通信会社を自由に選べるSIMロックフリーであるイデオスが市場に投入されるのは面白くなかったのだろう。イー・モバイルとファーウェイ・ジャパンの間で交わされた独占...