【レポート】11年の時を超えてG'zOneケータイが復活!G'zOne Type-XXレポート

 G'zOneケータイ、それはカシオ計算機がまだ携帯電話の設計製造をしていた
2000年に発売された「C303CA」までさかのぼる。
防水、耐衝撃性能が映画のストーリーに合致したことから、織田裕二主演の映画
「ホワイトアウト」に小道具として使用されたところから始まる。
それから5年後、初めてブランド名として「G'zOne」という名称が付けられる。
2010年には10周年モデルとして、G'zOne Type-Xという携帯電話としては当時最強の
耐久性を持つ性能を得た。
その後、G'zOneはスマホにシフトするが、2011年、2012年に製品をリリースしたあと
2013年12月、当時NECカシオモバイルコミュニケーションズは
NECが株式を全部買い取ることで携帯電話事業からカシオと日立が撤退した。

しかし、G'zOneのユーザーは根強く残り、KDDIが2022年3月末で3Gサービスを終了
することでこれらのユーザーも新しい世代のスマホなどに機種変更を余儀なくされていたが
2021年、KDDIからG'zOne携帯電話を復活すると発表される。
既にカシオは携帯電話事業から撤退しているが、なんと歴代のG'zOne商品デザインをした
チームを再び結集させてのデザイン、製造は京セラが行うというものだった。
発表から数カ月後、正式な発売日が2021年12月10日とアナウンスされ、
現在もG'zOneを使っているユーザーが機種変更する場合には、機種代金を全額割り引く
乗り換え施策も発表、オプションの専用ストラップ、卓上ホルダー、スペアバッテリー、
拡張アンテナケーブルなども発表された。

私は、2010年に発売されたG'zOne Type-Xを購入して愛用していたが、
数年前にOCNモバイルONEに乗り換えてしまい、解約後は卓上ホルダーに刺したまま
置き時計代わりとしてそのまま置いていた。
当然、発表後は大変に迷った。
メインで使っているのはソフトバンク回線でAQUOS R6
予備としてASUS ZenFone Max M1をOCNモバイルONEで契約しており、
OCNモバイルONEを再びau契約に戻すべきかと随分悩んだ。
しかし、こんなワクワクさせられるG'zOneがせっかく出るのに買わない理由は無い!
ということで、MNP予約番号を取りauに再び戻り購入してきた。

ヨドバシAkibaでの所要時間はおよそ40分。
私は発売から3日経過した12月13日月曜日に行ったため、店員さんに在庫を尋ねたところ
「あと数個あります、大丈夫ですよ」
とのことで契約手続きをしてきた。土日で結構な数が売れたらしく大変だった様子。
せっかくなので、G'zOne Type-Xを持ち込んで並べてみた。
左が新製品のG'zOne Type-XX、右が2010年発売のG'zOne Type-Xだ。

なお、残念ながらヨドバシAkibaには卓上ホルダ在庫が無いとのことで
秋葉原駅前にあるauショップを案内されたが、auショップにも在庫は無く
上野にあるau style UENOに電話確認をして在庫を聞いてみてから行ってはどうか
と案内された。
既に発売から3日が経過しており、朝の段階ではウェブショップは完売だったので
どうだろうかと思いながら電話すると1個だけ在庫があるという。
慌てて、今からすぐに行くので取り置きが出来ないかと相談すると快く引き受けてもらえ
秋葉原駅から京浜東北線に飛び乗ってau style UENOに移動した。
受付スタッフに取り置きをお願いしてたことを伝えると、すぐに卓上ホルダを用意されて
契約者情報に登録するとのことで、契約者名と電話番号を申告すると紐付けがされたようだ。
何故か、決済用のタブレットが機嫌が悪いようで、店員さんがすいませんすいませんと
言いながらタブレットを3度入れ替えて決済を完了した。
まったく関係ないが、受け付けテーブルの向かい側では、高齢のおばあさんが
アップデートするのにWi-Fiを使わせてもらいに来た様子で、対応していた店員さんが
「30分から1時間ぐらいかかってしまうのですが」
と案内をしていた。どうやら、家族がWi-Fiの接続設定をしてある様子だが、
頻繁なアップデートの度に端末が使えなくなるので、ショップに来た様子だ。
おそらくアップデート中は、端末操作が出来ないのを「使えなくなる」
と言っているのだなと解釈したが、一般のおばあさんがそんなことを理解している
はずもなく、そういう意味ではアップデート中の画面表示がイラストなどで
表示して理解出来る表示というのは重要なのだなと、昔のスカイメールの送受信画面を
思い出した。

ところで、今回のG'zOne Type-XXには、FMラジオが機能として実装されているため
外部アンテナケーブルを接続しないとラジオ受信は出来ない。
京セラ純正ケーブルは販売されているが、1166円もする。
いやいや、ただの変換ケーブルでしょう?そんなの秋葉原で数百円で転がってるでしょう?
と思い、あきばおーさんで同じような変換ケーブルを人柱で購入。330円。
http://www.akibaoo.co.jp/c/item/4528483189068/
動作確認をするも、普通にラジオ受信が出来たので、独自仕様ではない様子。

さて、順序がバラバラではあるけれど、箱を開けると、同梱物は端末、解除工具、
取扱説明書の3点だけ。しかし、紙の説明書が付いてくるのは久しぶりだ。
この時点で、気合いが入っていることが感じられる。

続いて卓上ホルダーも確認。
この時点では気付かなかったが、この卓上ホルダ、以前のG'zOne Type-X用と違って
角度が付いておらず、垂直に挿入するタイプ。
しかも折りたたんだ状態ではないと充電を認識出来ないので、開いたままで充電を
することが出来ない。
G'zOne Type-Xの場合は開いた状態のまま卓上ホルダにぶっ刺して充電することが出来たので
メインディスプレイを常に見ることが可能だったこともあり、残念感が強い。
また、垂直挿入のため、充電ランプの部分が影になり、視線よりも下に配置するような
ローテーブルに載せた場合、充電ランプが完全に見えない状態になる。
どう考えても卓上ホルダのデザイン優先で実用性が無いとしか思えない作りだ。
なお、卓上ホルダの接続ポートはUSB Type-C

背面カバーを解除工具で解除し、外すとこんな感じ。
バッテリーパックにプルタブが用意されており、このプルタブをめくって引き上げると
バッテリーが外れる構造になっている。
バッテリーの接点部分はこの画像では左側にある。

バッテリーパックを外すと、SIMカードスロットとmicroSDカードスロットがあり
案内用のシールでも表示がある。
画像の下側がSIMカードスロットで、上側がmicroSDカードスロット。

SIMカードは通常契約をしている場合、ショップ店員がSIMカードを挿入し
開通試験も実施するので、この部分はさわらなくて大丈夫。
microSDカードは、黄色い爪部分を引き起こしてから、microSDカードを挿入し
黄色い爪を戻して完了。黄色い爪が当たる場合には、microSDカードが完全に挿入されて
いない状態なので注意が必要だ。
あとは元の手順で背面カバーを付けて解除工具でロックしたらmicroSDカードの挿入は完了。


電源を投入すると、ロゴ表示に続いて背面カバーの注意が表示される。
まるで玄人に「このド素人が」(中島徹著:南倍南勝負録 玄人のひとりごと
と言われているようであるが、今一度、背面カバーが正しく装着されているか
浮きあがりが無いかを確認しよう。

起動が完了するとメインディスプレイに日付と時間表示がされる。
この時計表示はウィジェットで表示されているので、OUTDOOR APPS、
世界時計、カレンダーなどに変更出来る。
その下にあるWeatherは初期設定で場所の設定をすると、現在地の天候情報を
表示してくれる。気温、最高気温、最低気温、24時間の天気予報を表示するので
なかなか便利そうである。
しかし、困ったのが「乗換・地図」だった。これはauナビォークに連動しているらしく
無料プランはあるものの、月額課金を要求する内容になっており、
ヤフージャパンがYahoo!路線情報を無料提供していることを考えたら
なんて時代錯誤なサービスだろうと思ってしまうだろう。
私はこれがとても気に触ったので設定からこのウィジェットは削除した。
更に画面下にはファンクションキーの設定があり、F1には標準で簡易ライト
F2は未設定になっている。私はとりあえずFMラジオに設定しておいた。
念の為、FMラジオの受信状況を確認したが、オートチューニングがあり、
エリア設定のよる放送局表示もある様子で、筆者のいる東京ではNack5、TOKYO FM、J-WAVE、NHK FM東京、インターFM897、TBSラジオ、文化放送、ニッポン放送(93.0MHz)、がクリアに受信することが出来た。
しかし、千葉のBayFM(78.0MHz)は受信が出来なかったので、場所によって放送局の
発信場所から遠ざかっていると受信が難しい様子だった。
※ラジオ専用機では、BayFMの受信は出来るのでイヤホンをアンテナとして使用しての
受信感度はそこまで高くないかもしれない。

また、AndroidOSが入っているので、「開発者オプション」の開放も確認出来た。
AndroidOSはバージョン10、ファムウェアアップデートはあっても
Android11を必要とすることはまず無いとは思うぐらいにはよく出来ている。
この他に、AndroidスマホではGoogleアカウントの初期設定があるが本機には
見当たらずログインするところも見当たらなかった。
またWi-Fiについては、従来機であるG'zOne Type-Xでは、GPS機能とWi-Fiが
排他仕様でどちらかしか使えなかったが、本機では普通にWi-Fiは使用可能。
このため、自宅に固定回線のWi-Fiなどがあれば、SSIDとパスワードの設定入力で
簡単に接続出来る。
また、メインのスマホにテザリング機能が有効な場合には、外出時もテザリングで
接続して使用することも出来る。
一番安いシンプルプランの場合、300MBしか使用出来ないので、気になる場合には
そういう使い方も有効だろう。

最後に防犯ブザー機能だが、押下キーが#キー長押しになっており、
作動させると、二段階で鳴る仕組みになっている。



追記です。
卓上ホルダを確認したところ、挿入検知に前方と後方にそれぞれ爪があり
端末を押し込むと左右それぞれから充電端子が飛び出して、端末左右にある充電端子から
充電される仕組みになっている。
このため、構造上は、前方の爪を押した状態で端末を開いて挿入しても
充電を認識しているので、Type-Xと同じ傾斜・開いた状態で充電可能な充電ホルダーを
作成すればType-Xと同じような開いたままで充電が出来るようだ。
京セラさん、KDDIさんには早急に対応した卓上ホルダーの追加販売をしてほしいところ。