【コラム】「活字を読め」というのは根拠があるのか。

よく「活字を読め」「漫画とラノベはだめだ」
などと言われることがあるかと思いますが、
言ってる当人は果たして、どのような媒体を想定して
どういう結果を求めているか。

おそらくは小説作品や新聞を読んで、知識量を増やせ
ということを結果として求めている、そんな気がします。

まあ、一定の効果はあるんでしょう。
でも、このデジタル全盛期に活字を読めってのは具体性が欠落
しているとは思いませんか?

漫画にしたって、「こちら葛飾区亀有公園前派出所」なんて
コミックスが200巻出ていて、中身は趣味の解説に大量のセリフが
使われていて、知らなくても両津勘吉が雑に解説してくれる。
しかも時事ネタが大量で読んでるだけで現在のトレンドがわかる
すごい作品でした。
あれこそが活字であったと言えます。

あとはラノベ、「狼と香辛料」などで社会経済に強い関心を持った人や
「マリア様がみてる」で対人コミュニティと挨拶の重要さを覚えた人や
「銀河英雄伝説」で政治経済の重要性と組織の腐敗を学んだ人は多いはず。

もっと言ってしまえば「枕草子」だって、昔のラノベですし。
そういった媒体に限らない知識学習の機会を狭める「活字を読め」
というのは意味がありません。

かつては漫画「動物のお医者さん」では、絶大な人気があり
獣医師を目指す人が増えたという時代もありました。
漫画やラノベは、時に、読者の人生の目標になったり、転機に
なることもあります。
そういったものを否定することは出来ません。

もっとも、社会人としては、それだけではなくて、
ネットニュースでいいので、産経新聞や日経電子版などにも
アンテナを張っておきたいところではあるのですが。